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がんばれ大学受験生-英語の過去問利用法
演習と分析の意味

 このページでは、英語の過去問の演習と分析をする意味について書きます。まずはこのページで意味をしっかりと把握してから、「時間配分と解く順番」「演習と分析の方法」に進もう。

<過去問の演習と分析の意味>
<1.大問ごとの時間配分と解く順番を決めるためのシミュレーション>
<2.過去問と現在の実力を比較し、今後の勉強を能率的にする指針作り>
<3.特殊分野や特殊問題の把握>
<まとめ>


<過去問の演習と分析の意味>

 このHPでもいろいろなところで書いているけど、僕は基本的な考えとして、過去問(赤本など)を使って演習をしまくることや、傾向と対策などに頼りすぎることを勧めていない。過去問演習はとても大事だけど、勉強効率がよくないなどのデメリットがあるからね。そもそも、過去問を演習し、分析をしなくても、しっかりとした英語力があれば、あらゆる受験英語の問題で合格点を取ることは可能。また、ただ過去問を解いたからといって、実力がすぐにアップするというものでもない。

 だから、大前提として、予備校の講義や問題集などの解説がしっかりとしたものを、ちゃんとした予習復習のプロセスで行うことで、本物の実力をつけることが大事なんだ。予習では本番のつもりで問題を解き、復習では講義や問題集の解説を理解しながら必要な知識を暗記し、さらには予習の時のプロセスと解説で教わった正しく問題を解くためのプロセスとを比較する。そうすれば、吸収したものを自分で正確にスピードよく使えるようになる。このようにしっかりと勉強することで、どんな問題が出題されても合格点を取ることができる絶対的な英語力をつけないと、本番の入試問題には歯が立たない。さらに、過去問の傾向を踏まえてその対策ばかりをすると、いざ傾向が変わってしまった時に対応できないから、いろいろな種類の問題演習をして応用力をつけることも必要なんだ。

 その大前提はもちろんとして、いきなり本番で実力を発揮しようとしても、難しい面が多い。そこで、過去問を活用することが大事になってくる。ただし、さっき言ったように、デメリットをできるだけ減らすため、時間をかけるだけの効果を得ないと意味がない。だから、英語の過去問を利用する際には、演習と分析の意味をしっかりと把握し、過去問を有効に活用する必要があるんだ。その目的を3つに分けて説明するね。


<1.大問ごとの時間配分と解く順番を決めるためのシミュレーション>

 試験当日にいきなり問題を解くよりは、前もってどのような問題が出るのかを知った上で臨んだ方が、気が楽に決まってるよね?前もってどのような問題が出るかを把握し、本番の試験でも落ち着いて、効率よく問題を解くためには、過去問の演習と分析が必要不可欠なのは言うまでもない。

 だからこそ、みんなは過去問を解いてから試験に臨むんだろうけど、気分的な問題以上に大事なのが、前もって大問ごとの時間配分と解く順番を決めておくこと!また、これを決めるために、本番を想定したシミュレーションをする必要がある。そしてこれこそが、英語の過去問を演習し、分析をする1番目の目的なんだ。

 受験では、問題を正確に解くための英語力はもちろんのこと、制限時間内に解くためのスピード対応能力が重要。もちろん、闇雲にただ速く解いても、答えが間違っていては意味がない。だから、正確性とスピードの両立が重要になる。

 問題を解くスピードを上げるには、それを可能にするだけの英語力、特に知識力があることが何よりも大事だし、制限時間を設定した問題演習を積むことで、必要とされている知識を素早く正確に頭の中から引き出す訓練をすることも有効。これは普段の勉強でやれることだよね?ただし、それだけでなく、志望校の受験問題を全体的に考え、どのような問題が出るのか、問題数はいくつか、制限時間はどのくらいなのかを知り、大問ごとの時間配分と問題を解く順番を決めてから解くことで、かなりのスピードアップが期待できるんだ。そのために、過去問演習と分析が必要不可欠になる。

 英語の場合、特に受験本番が近づいてからの過去問の活用においては、3つある目的のうちこれが一番大事。だから、この件に関しては、別のページで詳しく説明するね。


<2.過去問と現在の実力を比較し、今後の勉強を能率的にする指針作り>

 「受験英語とは?」にも書いてあるけれど、英語はいろいろな分野に分かれ、それらは単独して問われることもあるし、組み合わせて問われることもある。だから、全部の分野の力が高いレベルで備わっていることがもちろん望ましいけれど、たいていの人は苦手な分野がきっとあるはず。

 そこで、過去問の演習と分析をすることで現状を把握し、特に苦手なものや自分に不足している部分を中心に今後勉強することで、能率よく全体的なレベルアップにつなげることができる。この勉強の指針を作るためのデータを集めるのが、2番目の目的なんだ。

 過去問演習の結果を基に分野ごとに分析し(大問ごと見ると分かりやすい)、得意なものと苦手なものを把握する。そして、苦手なものに関しては、その理由を特にしっかりと考え、対策をすることが大事なんだ。この自己分析を生かした勉強は、模試などの活用法でも大事だけど、自分の志望校の過去問を使って演習と分析をし、それを活かして受験まで勉強すれば、自分の志望校に直結するので模試よりも実践的だし、合格の可能性が高まるからね。

 例えば苦手な大問があった場合、正確性が低い時はその大問に関係のある分野を今まで勉強したものの復習をすることで、知識力や理解力の底上げをすることが大事。時間不足なら、苦手な分野の問題を問題集や過去問などから探して、制限時間を設定して素早く正確に解く練習をするとよい。また、特に苦手な大問がある場合は、過去問を何年もさかのぼってその大問だけを演習するのもとてもよい方法。つまり、問題全体で分析すると共に大問別にも分析することが大事だし、その際正確性とスピードの両面から分析をすることが必要なんだ。

 また、複数の学校の問題を解いてみると、自分の苦手な分野や問題が共通していることが多いことに気づくはず。だから、過去問を分析し、現状を把握し、その対策を立てて実行することが、全体的な英語力アップにもつながるんだ。その意味でも、過去問は模試と同じ。結果よりも、それを今後の勉強にどのように生かすかが大事だからね。


<3.特殊分野や特殊問題の把握>

 学校によっては、リスニングや自由英作文など、通常の受験勉強では対応できない分野がある。その他、その学校や学部特有の問題というのもまれにある。こういった分野や問題は、多くの受験生が頭を悩ましていることと思う。全部の志望校で出題されるならまだしも、出る学校が少ない場合は、やるべきことが他にもたくさんある受験生が、どこまで特殊分野や特殊問題に時間をかけられるかを見極めることだけでも難しいからね。

 そこで、通常の受験勉強では対応しきれないものを過去問を演習することで見つけ、結果を分析することでどの程度の対策が必要かどうかをつかむことが必要になる。つまり、特殊分野や特殊問題を把握することが3つ目の目的なんだ。

 実は、こういった特殊な問題は、ほとんどの受験生が苦手とし、点数が低くなりがちな問題なので、その他の分野で挽回すれば十分な場合が多い。また、得意な場合は対策をしなくていい場合もあるし、苦手な場合でももっと重要な分野に時間をかけた方が、全体としての点数がよくなる場合もある。もちろん、特殊分野の配点が高い場合や、低い場合でも難関校では、点数が極端に低いと挽回不能なので、絶対に対策が必要になる。いずれの場合にせよ、早めに対策を立て、できる限り実行しておくに越したことはないでしょ?

 だからこそ、特殊な分野や問題を過去問演習で見つけ、見つかった場合はどの程度の対策が必要か分析することで考え、できる限りの対策をしておく必要がある。そして、特殊範囲があるかどうかを知るためには、できるだけ早い時期に過去問をチェックしておくことが重要なんだ。出題されることが直前になって分かっても、対策する時間がないので手遅れということになりかねないからね。特殊分野や特殊問題の出題の有無に関しては、遅くとも夏休み中には知っておきたい。実際に解くのはもっと後でいいにしても、過去問をざっと見通すだけで出題分野や形式は分かるからね。


<まとめ>

 以上3つが、過去問の演習と分析の意味。志望校の過去問を何年もただ解けばいいというものではないことは、これだけでも分かったはず。しっかりと目的意識を持って、有意義に過去問を使おうね。