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がんばれ大学受験生-1文英文読解!
今回の解説(12/23日)

<解説(第17回)>

 今回は、僕の母校でもある、慶應義塾大学文学部の2002年度から抜粋しました。辞書持ち込み可で長文1問という特殊な形式ですが、文章自体は非常に中身の濃い文章です。受験する人は、しっかりと対策しておきましょう。実際は辞書を使えますが、練習のため、使わないでこの文を和訳してみましょう。

 ポイントは、挿入倒置です。

 まずこの文を読む際の1つ目のポイントは、カンマとカンマの間が挿入だということを見抜くことです。前回、いろいろな挿入のパターンを勉強しました。その中の今回は「接続詞+文」です。このパターンの場合は、2つの文に分けて考えるのがコツです。

 if節の中を先に考えて見ましょう。are to haveと、“be to do”が使われています。いろいろな意味がありますが、ifの中に多い「意志」で考えます。「もし言葉がどんなものでも正確な意味を持ちたいなら」と考えると、無生物が意志を持ってしまって奇妙に感じるので、「言葉に〜を持たせたいなら」と意訳するのがいいでしょう。

 主節の方を見ていきます。This last oneが文頭の名詞なのでSと考えるのが普通ですが、Vが見つかりません。2番目のカンマの後ろを見ると、we must confessとなっており、こちらがSVを考えた方が自然です。そこで、倒置ではないかと疑る柔軟性が大事です。

 倒置はいろいろなパターンで起きます。今回は“confess O to be C”(Oを〜だと認める)の、Oの部分であるThis last oneが文頭に出ているのです。つまり、“O S V”になっているのです。これを見抜くコツは、やはりVが他動詞であるという知識です。今回はconfessを使った熟語です。語彙力は絶対的に必要です。受験の当日まで、語彙力アップに励みましょう。

 今回は、受験生の多くが苦手とする挿入と倒置を取り上げました。この2つ(特に倒置)は特殊なパターンなので、そう出会うわけではありません。しかし逆に言うと、出題者が出題してみたくなるところなのです。他の倒置のパターンにも、できる限り当たりましょう。


<訳>

 「もし言葉にどんなものでも正しい意味を持たせたいなら、私達は少なくともこの最後のものを、美しくない、つまり醜いと認めなければならない。」


<重要語句>

 ・at least「少なくとも」 ・any(if節の中)「どれでも、どんなものでも」(強調して訳す) ・confess O to be C 「Oを〜だと認める」(動詞+O+to be Cや、動詞+O+as Cのパターンの1つで、O=Cと考えるとよい)